デンタルニュース

前歯のはなし

前歯は人の印象を決める大きな要素の一つです。
前歯が白くて、歯並びも綺麗だと自信を持って笑うことができますね。


最近では前歯の印象を変えるために大人でもプチ矯正を始める人もいます。
歯並びを整える矯正は近年手の届く値段になってきているためです。

また前歯を少し削ってベニアと言う薄い人工の歯のようなものを貼り付ける治療もあります。

これはラミネートベニアといって、歯が正しい位置に並ぶまで装置をつけて待つ矯正より早く歯並びを良く見せ、歯の色も形も選ぶことができるというメリットがあります。

しかし前歯を削るというリスクがあるので、健康な歯にはおすすめしにくい治療です。

さて、前歯の働きを考えてみましょう。主に噛みちぎる動作、まさにフランスパンを食べるイメージがわかりやすいです。

健康な歯であればフランスパンが固くても、気になることなく食べられるでしょう。

しかし前歯の機能に不安のある方は、フランスパンと聞いて出来れば小さく手でちぎって奥歯で噛みたいと思うことでしょう。

前歯のトラブルとしては、このように食事をしている時に金属が外れてしまったとか、怪我によって歯が折れてしまった、などで歯科医院を訪れる方がいます。

小さな虫歯が出来た場合には、小さく削って樹脂を詰めるような簡単な治療から、虫歯の進行程度によっては神経を抜いたり、根っこの治療をやり直したり、被せ物を作るなどの治療があります。

近年よく話題になる歯周病では歯が長く見えたり、病気が進行して歯がグラグラして噛めない場合に、暫定的に固定をしていることがあるかもしれません。

他人からもよく見える場所なので歯の色や大きさ、形、また接する歯ぐきの色や形も気になります。

前歯に金属の入っている人が歯ぐきの色を気にしていたり、タバコによる歯ぐきの黒さもお悩みとして聞くことがあります。

いずれにしても治療をしていくときには、人目に触れる部分なので、歯科医院でも審美性を損なわないように注意しながらすすめています。

例えば治療中は仮歯を作製して、空間をおぎなったり、自費治療であれば仮歯であっても色合わせを行なって仮歯と分かりづらいようにすることもあります。

戦後には額縁のように歯の周りを金で囲うようなものや、前歯を金や銀で作ったりした時代もあるのですが、今は見ることもほとんどなくなりました。

過去にはお歯黒といって、日本だけでなくアジアの結婚した女性が歯を黒くする文化が千年も続いたと言われています。

現代社会では歯をできるだけ白くしたいとホワイトニングが人気があるのですから、お歯黒文化の時代にタイムスリップしたらビックリするでしょうね。

お口の健康は機能だけでなく見た目も大切な要素です。

口もとを隠してしか笑えないとか、思うように噛むことができないなどお悩みがあればぜひご相談下さい。

2019-07-22 | Posted in デンタルニュースComments Closed